当サイトはバングラデシュビジネス専門のコンサルティング会社「株式会社プロトム」が運営しています
  1. ニュース
  2. コラム・特集
  3. ビジネスマッチング
  4. コンサルティング

コラム・特集

バングラデシュニュースに見るビジネスのヒント!

第6回:ユニクロ、人件費高騰で脱中国 機能性肌着、生産比率3割引き下げ

今回は、SankeiBizの記事を基に、脱中国の動きとあわせて、バングラデシュの今後を考えてみたいと思います。

「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは10月22日、「ヒートテック」など東レと共同開発した合繊繊維の肌着について、中国以外での生産比率を2015年までに現在の2割から5割に引き上げる方針を明らかにしました。これは中国での人件費高騰を受けたもので、今年4月に稼働したバングラデシュのユニクロ専用工場を軸に代替生産を拡充します。

中国はこれまで豊富で安価な労働力を背景に「世界の製造拠点」として企業の投資を引き付けてきましたが、人件費の上昇に加え、待遇改善を求める労働争議やストライキも増えたこともあり、中国への拠点集中のリスクも指摘されています。ファーストリテイリングは生産拠点の分散で、製造コストの低減と安定供給態勢の確保を図る考えで、同様の動きはほかの衣料メーカーにも広がりそうです。

バングラデシュには繊維関連の工場が約5千もあり、労働者は350万人、輸出全体の8割、国内総生産(GDP)の13.5%を占めるなど、繊維産業は海外への出稼ぎと並ぶ国の基幹産業となっています。従って、バングラデシュの経済を見通す場合、繊維産業の見通しは重要で、それには中国の情勢が大きく影響してきます。

ですから、中国で賃上げの動きが続いていることは、賃金水準が中国の3分の1であるバングラデシュにとっては、大きな追い風となっています。

ただ、米フォーブス誌が『「中国の時代」は短命』というレポートを発表して、中国の不動産バブル崩壊の可能性を指摘しています。フォーブス誌はいびつな中国の不動産市場と急速な高齢化を挙げ、「(バブル崩壊後の)中国の停滞は日本より深刻になるだろう、とも予測しています。この予測が当たるとすれば、バングラデシュへの工場移転の速度は鈍ることにつながります。

しかし、尖閣の問題でも示されたようにいろいろな局面での中国の強硬な姿勢は、中国一辺倒のリスクを一層認識させる結果ともなっています。

一方バングラデシュには、相変わらず日本の各団体や個人が貧困解消のためのさまざまな活動を続けています。私は情報収集の一環で、バングラデシュのニュースを集め、当社サイトで紹介していますが、日本の個人やNPOレベルでのバングラデシュとの交流の多さにはいつも驚かされます。日本人は、バングラデシュに大きな関心を抱いており、バングラデシュが好きなんだなぁとも感じさせられます。これは日本人の貧困問題解決に役立ちたいという気持ちもありながら、基本的にバングラデシュ人は日本人と気が合う国民性なんだとも思います。

こうした背景も総合して考えると、繊維関連の日本企業は、バングラデシュの品質レベルを中国並みに引き上げる努力を続けながら、中国の状況を見すえつつ、バングラデシュへの投資は拡大していくことになるのだと思います。

執筆者

土肥 克彦
有限会社アイジェイシー 代表取締役

執筆者情報・コラム一覧